目次

- 離乳食を食べない。とにかく食べない。
- 手間と時間をかけて作ったものも食べない。
- レトルトも食べない。果物もイヤ
- 両手で皿やスプーンを叩き、エプロンを振り回しあたり一面ぐちゃぐちゃに。
- 口にするのは母乳かミルクのみ…。
離乳食の時間が、私も子供もお互いに苦痛になっていました。
そんなとき、雑貨店でたまたまみかけた「モグフィ」というアイテム。
これを使ってご飯を食べさせたのをきっかけに、今ではスプーンを持っていくとちゃんと口を開けてくれるようになりました。
離乳食を「食べるため」だけではなく、「食べるきっかけ」を作るにもぴったりのアイテムです。
離乳食をはじき返されて、茫然とするお母さんたちにぜひおすすめしたい「モグフィ」をご紹介します。
離乳食なんていつか食べるだろう…は間違いだった
ウチの長男は、赤ちゃんの時から今に至るまで、とにかく食いしん坊で、ありがたいことに、ご飯で困ることは一度もありませんでした。
そのため、長女の時も、最初は離乳食を食べずにいても「そんなもんだろう」「まだ5か月だし」と悠長にしていました。
口を頑なに開けてくれない娘を見ても、「まあ6か月だし」「あげるって言ってもスプーン1杯からだし」と特に気にせずに過ごしていた結果。まったく進まず、焦りだしたのは7か月を過ぎたころからです。
「なんでこんなに食べてくれないんだろう?」という疑問から焦りに代わり、無理やり口に入れるも泣きわめきテーブルをバンバンたたく始末。
時には、口に持って行ったスプーンを叩かれて床や服が汚れたり、お皿ごと叩かれてそこらじゅうに飛び散ったりとめちゃくちゃに。
そこに、空気を読まない長男が走ってきて、落ちたご飯を足で踏みつけて被害が拡大する…など日常茶飯事でした。
体重の伸びが悪い…!? 本気で離乳食にとりかかろうと決意

ある時、予防接種で病院に行ったとき、体重計があったのでなんとなく娘を測ってみました。すると、成長曲線内ではあるものの、今まで順調なカーブだった曲線が平行線に…。
それまでは母乳でしたが、母乳の出も悪くなってきていました。かといってミルクも規定量の半分くらいしか飲まなかったため、ますます焦りだしてしまった私。
イヤイヤ期真っただ中の息子にかかりきりだったことを反省し、本気で離乳食を進めようとようやく決意したのは8か月も近い月齢の時でした。
まずは、レトルトではなく手作りの離乳食を作りました。
半分手作り、半分はレトルト、というような使い方をしたり、時間がない時には、完全にレトルトのベビーフードを使用していましたが、最初からすべてを手作りすることに。
ですが、結果は惨敗。レトルトだろうが手作りだろうが、娘はのけぞって断固拒否です。
ならば野菜だけはどうだろう、と、とうもろこしやかぼちゃなど、甘みの強いものを食べさせてみましたが、離乳食ブロックパンチが飛んできて、野菜も床一面に飛んでいきました。
食感が嫌なのかもしれないと、今度はいろいろな形・ペーストの果物をあげてみましたが、これも効果なし。乳首と哺乳瓶以外では決して口を開けてくれませんでした。
台所に立てば、たった1食分を作るためだけに汚れたナベやざる、こし器に包丁、まないたにすりこぎ…あふれんばかりの洗い物が待っています。
そして、私の手元にも、無残に残った離乳食が入ったお皿が。
「なんだろう?この無駄な時間は?」と、悲しいやら切ないやら、ドッと疲れが押し寄せてきていました。
それは自分で思っていたよりもずっとストレスだったようで、他の育児ストレスも重なった結果、原因不明の高熱4日間、片側のリンパ節炎、まぶたのけいれん、激しい頭痛と嘔吐など、様々な体調不良に襲われました。
おしゃぶりみたいなモグフィ。これが大正解だった!

そんなとき、私があまりにも具合がすぐれないこともあってか、夫が「息抜きしておいで」と、子供を見てくれる時がありました。
とても嬉しくて、久しぶりに一人でぷらぷらと近所のショッピングモールを歩いていました。
ベビーカートを押したままでは入りづらい、少し狭い雑貨屋さんがあるのですが、今日は一人だし、と、心置きなく店に入りました。
いろいろ見ていると、とある一角に外国製の赤ちゃんグッズがあるコーナーにいきつき、そこを見に行ってみると…なんだか怪しい声が聞こえてくるのです。



…みたいなことを、深夜の外人さんがやっているテレビショッピングのようなノリで言っているプロモーションビデオでした。
私は、食い入るようにそれを見て…一通りみた後に、「ダメ元で買ってみようか」と、それを手にしていたのです。
パッケージを開けて…「これがモグフィか…」と期待しつつも半信半疑な部分も。
見た目はおしゃぶりの変型版。手で持てるように小さなハンドルのようなものがついていて、真ん中には、穴があいたおしゃぶりのようなものがあります。
フタをあけて、中に離乳食を入れて、子供に持たせます。
そして、哺乳瓶と同じようにちゅーちゅー吸うことで、中のベビーフードを吸い出し、もぐもぐと自分で食べることができる、という仕組みです。
おしゃぶりは歯の変形などが起こることを知っていたので、最初から否定的だった私。
もちろん、それに似た形のモグフィも決して良い印象ではありませんでしたが、この時は「少しでも食べて、栄養をとってくれるならそれでいい」と思っていたのです。
私が買ったのはS穴のもの。本体込みで1000円前後の代物です。
買ってきてすぐに試すことにしました。哺乳瓶と同じように消毒が可能です。
最初はいつも通りスプーンで口に持っていくと、案の定、のけぞって拒否。口を開けるタイミングを見計らっていたら、激しくテーブルをたたいたり、エプロンを上にあげて完全にブロック状態です。
そこで、モグフィにおかゆを入れてみました。
そして、嫌がってうなっている娘の手にぽんぽん、と持ち手をたたくように持たせると、すぐに泣き止みのけぞるのをやめました。
「なんだ?この新しいおもちゃは」のような顔をした後、当然のように真ん中の部分をパクリ…。チューチューと吸い始めました。
最初は「うぇっ」と嫌な顔をしましたが、しばらく考え込んだ後、再度口に持って行ってちゅーちゅー…。
「もぐもぐ」ではなく完全に吸っていますが、しばらくして娘が持っているモグフィを見ると…カラになってる!全部食べてくれたのです。
「すごい!」とうれしくなって、中身を追加しようとモグフィを取り上げるとギャン泣きされてしまい…、中にまた食べ物をつめて渡すと、再度ちゅーちゅーと吸うように、また全部食べてくれるではありませんか!
やった!すごい、これ!と、大喜びしたのを覚えています。
モグフィがきっかけで、他のものも食べるように
それからというもの、娘は、食べ物の味を知るきっかけになったようで、少しずつ離乳食を食べ始めてくれるようになりました。
嫌な時は、今まで通り全力で離乳食を嫌がりますが、おなかがすいていたり、好きな食べ物だと、私の顔を見て口を開けて催促します。
時々、あれもこれもイヤ!とすべてのご飯を嫌がることがありますが、そんなときにまたモグフィに入れて渡すと、少し冷静さを取り戻すらしく、ちゅーちゅーと食べてくれます。
今はモグモグ期用のサイズに買い替えて、少し大きめの具材でもモグモグすると出てくるようになっているサイズのものを使っています。
おしゃぶりに似ているので、ずっと吸うのかと思いきや、中の食べ物が大きくなったら、ちゃんと「もぐもぐ」してくれています。
さすが「モグフィ」!だと思いました。
食べてくれるようになった、というメリットだけではありません。
モグフィで食べてくれる間は、途中液だれなどがあるものの、お皿やスプーンを叩かれることもなくなり、床などが汚れる範囲が狭くなりました。
また、モグフィに夢中で食べてくれている間、洗い物ができるので、時短にもなっています。
あの時、「息抜きに」と一人で出かけていなかったら、知ることも出会うこともなかったアイテムです。本当に良かったと感じています。
モグフィは「食べるきっかけ」を作ってくれる「お助けアイテム」!
店頭で見かけた、あの不思議なノリで進んでいっていたプロモーションビデオ。
でも、確かにそうなのかもしれません。おっぱいやミルクは、欲しい時に泣いて、欲しいだけ吸って、お腹がいっぱいになったら離す。
なのに、離乳食は、勝手にやってきて口の中に入れられて、おなかがいっぱいでも、味がきらいでもお構いなしに、お皿がカラになるまで自動的にやってくる。
焦りがあったとはいえ、泣いて嫌がる娘に「ちょっとでいいから食べてごらん!」と無理強いしていた自分を今では反省しています。
モグフィは、自分で吸うから出てくる。食べたかったらもっと吸えばいいし、食べたくなかったら吸わない。
そんな風に、本人の意思に任せた結果、娘も冷静になり、「あ、これおいしいかも」「食べてみようかな」となってくれたのかな、と思います。
母乳、ミルク以外の味を覚えた娘は、少しずつですが色々なものを食べ始め、体重も順調に増えてきています。
もし、スプーンを持っていっただけで門前払いを食らっていることで悩んでいるお母さんがいたら、ぜひ試してほしいアイテムです。
夫、実父の5人暮らし。病院に長く勤めていましたが妊娠を機に退職。
現在は、子育てを漫画で綴ったり、子供の服に自作イラストを貼ったりして過ごすのが唯一の趣味ですが、本当は水中で動き回りたい元・ダイバー兼潜水士です。