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私は今から9年前に、大きな病気を経験しています。「もう社会や人と つながることがないまま、置いてきぼりになっちゃうのかな」と思ったこともありました。
でも、そんな私でも再び生きがい・やりがいのある仕事を見つけることができたのです。
それは、在宅ワークでした。ライティングの仕事を通して病気をもっていても、ひとりの人間として人や社会と つながっていられることに気づくことができたのです。
私が自分の体験を振り返って書くことで、同じような思いをしている誰かの役に立つことができたら嬉しいな、そう思っています。
医療技術が進歩し助かる命が増えたけど、生きていくのは大変だ。
医学と医療技術が進歩したことで病気が治り、助かる命が増えたことは とても素敵なことだと思います。
でも病気を治すのには時間と、お金が必要です。私が経験した大きな病気というのは、乳がんです。
生きているうちに がんにかかる可能性は男性の2人に1人、女性の3人に1人といわれています。
生きていれば年齢が1歳ずつ増えていくし、誰でも病気になってしまう可能性はある。ある日、突然ケガをしてしまうことも あるかも知れない。
でも「私は、大丈夫よ」と多くの人が思っています。私自身も、そうでした。大きな病気や突然のケガなどは「まさか、私が?」と、なってみて初めて思うのです。
病気をすれば元気になるまでに多くの時間が必要になるけど、その間は働くことができません。お金が必要になるのに、働くことができなくなってしまう。
これは本当に、大変なことです。病気の治療を頑張れば、元の生活に戻れると思うからこそ頑張って治療をしてもらうことを選びます。
「病気と一緒に生きていかなくちゃダメなんだ」と頭では分かっていても、「病気になる前に時計の針を戻すことができればいいのに」と思ったりして、患者の心は常に揺れ動いてしまうものなのです。
ハローワーク・求人情報誌・新聞広告を見て就職活動をしたけど、ダメみたい。
病気の治療を終えて体力と気力が戻ったら「働きたい」と思って、就職活動を始めました。
「今まで お金も使っちゃったし、パートの仕事を探してみよう」と思ったのです。
いざ就職活動を始めてみると、いろいろと困難に直面することが多かったです。「病気を抱えながら生きていくということは、そんなに簡単なことではないのだな」と改めて感じました。
具体的には通院をしなくちゃいけないのだから、平日がお休みのところが対象になる。もしも、そんな職場が見つかったとしても病気のことを話さなくても大丈夫なのか。
病気をしたこと、通院をしていることを話した場合は面接の時点で、すぐに落とされるだろうな。
病気のことを隠して就職できたとしても、「病気のことを話さなかった」と心配や不安、気がかりになっていたら嫌だな、などと思いました。
私は結局、面接の時点で病気のことを伝えることに決めたのです。「それでも良いですよ」という人は少なくなるけど、モヤモヤした気持ちがない分だけ気楽だと思いました。
ハローワーク・求人情報誌・新聞広告を見て就職活動をしましたが、病気のことを話したからか、不採用になったところもあったのです。
もちろん「ある程度の年齢になれば、誰だって病気の1つや2つはあります。大丈夫ですよ」と言ってくれた面接担当者もいます。
でも「職場の同僚になる人たちには伝えないでおきますね」ということになったので、職場の同僚は何も知りませんでした。
そのような状況では、やはりうまくいかなかったのです。
今の時世、仕事は働く人数は少なく、量は多くという効率化が前提になっているので、どうしても体に負担がかかってしまうのです。
とても良い経営者で、先輩たちも親切に仕事を教えてくれましたが4日目に退職することを決めました。
挫折感を何度も感じ、「もう生きている意味なんて見つからないかも?」と思ったこともありました。
「在宅ワークでライティングの仕事をする」これなら、私にもできるじゃない!
ごく普通に「行って来ます」と家を出て職場に行って、働いて「ただいま」と家に帰る。
病気になって以降は残念ながら、そんな働き方が できなくなってしまいました。
「それなら内職の仕事を探してみよう。内職の仕事なら、家でマイペースにできるし、私にもできるかも知れないな。でも今は不景気だから、内職の仕事なんてあるのかな?」と少し不安もありましたが、内職の仕事を探してみることにしました。
内職の仕事は2つ見つかり、1つめはボールペンの組み立ての仕事。2つめは新車を納車する時に座席シートにかぶせるビニールに細いゴムを通していく仕事。
でもボールペンの組み立ては「いつ仕事が発注できるか、分からない状態なのです。登録をしておくだけなら、可能なのですけど」と言われ登録だけは済ませておいたのですが、いつになっても仕事が来ないまま時間が過ぎて・・・。
座席シートにかぶせるビニールに細いゴムを通していく仕事は自宅に畳かフローリングの部屋があって、作業部屋がある程度は広くないと やりにくいことが仕事の説明会に参加してみて分かりました。
その理由はカーペットや じゅうたん だと静電気が起きてビニールにゴミやホコリが付着しやすくなること。完成品と未完成品をきちんと分けておかなければならない。
部屋の広さもある程度は必要となると我が家には畳の部屋も、フローリングの部屋もないし無理だと感じました。
そこで思いついたのが、パソコンを使ったライティングの仕事です。今まで気軽なポイントサイトをゲーム感覚でしてためしてみたり、アンケート形式の質問に答える形でポイントを貯めていたことはありました。
そこでパソコンで在宅ワークを始めてみようと思い検索してみたら、ライティングの仕事があったのです。
私は「学生の頃から文章を書くことは好きだったし、空いている時間を使ってマイペースで続けられるなら良いかも!」と思いました。
やっぱり、生きていられたことは良かった。嬉しいことだと思える。
病気を経験したものの、在宅ワークでなら私にも頑張れる。ライティングならできる。そう思いました。
ライティングの仕事をするといっても調べてみると、会社によってサービス形態が違っていました。
楽しくライティングの仕事ができそうなことが大前提。そして取り組みやすい案件が多いところを探した結果、「CrowdWorks(クラウドワークス)」に決めました。
ライティングを始めたばかりの頃は受け取れる報酬に関係なく、取り組みやすそうなものから書いていました。
少しずつ自分の経歴や趣味、取り組んでみたいと思えるような案件に挑戦するようになり、今は楽しく充実した日々を送っています。
ライティングの仕事を始めてからは時間を有効に使うことを意識するようになり、ダラダラしたり何となく時間を過ごしてしまうことが だいぶ減りました。
「在宅ワーク」というと気軽に気楽に取り組めるもの。そんなイメージでした。でも記事作成のための下調べをしてから読み込みをして、自分なりに理解して自分の言葉で調べた内容を書いていく。
これは、とても地味で根気が必要な作業でした。試行錯誤しながらオリジナルな文章を作っていくのは、大変だけど楽しい作業でもあります。

パソコンでの在宅ワークを通して社会や人と、つながっていられる。私にだって、まだまだやれることがあるんだ。そう思えることは私の生きがいであり、やりがいです。
病気を経験し、「私は家族の負担になってしまうばかりで何の役にも立たない」と思っていた時期がありましたが、在宅ワークという形でライティングの仕事に出会うことができたことを本当に嬉しく思っています。
パソコンの向こう側には、私と つながってくれている多くの人がいる。社会とも つながっていられる。生きていられて、本当に良かったんだ。そう思えるのです。
病気を経験していても、在宅ワークならできる。ライティングも仕事の1つ。
病気になって治療を終えて、以前と同じ仕事に戻れなくなってしまった場合は、新たな生き方を探さないといけなくなります。
新たな生き方というのも、そう簡単に見つけることができなくて葛藤することも多いです。
でも今の時代は考え方も、働き方も多様になったので良い面から考えれば「在宅ワーク」という選択肢もあり。そう思えるようになったら、心がとても軽くなりました。
ライティングの仕事は奥深く、少しずつしか前に進めないけどコツコツ続けることが苦手でないならば、自分のペースで楽しみながら取り組むことができます。
病気をもっていても、ひとりの人間として、在宅ワークという働き方で私らしく楽しみながらライティングの仕事を続けていきたいと思います。