無職で人生のやる気が出ない人間が、カードゲームで社会復帰した話

多趣民ポアロ
30代独身実家暮らしの男性。
大学時代、就職活動に失敗し、就職留年することに。
卒業後2年半無職生活。その後国家公務員試験に合格し、国家公務員となるも3か月で退職。また3年間無職に。
その間、数学の勉強をし教員免許修得。現在、都内近郊の学校で数学の非常勤講師として5年目を迎えております。
これは、人生に夢も希望も、やる気すらも無くし、無職を5年経験した人間が、カードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」で社会復帰を果たした話です。

たった一つだけ人生の楽しみを持てたことで、無職生活とやる気の出ない毎日から脱出できたことを、自伝的内容としてつづっています。

無職で生きる希望も見つけられず、絶望している方の背中をそっと押せるような内容になればと思い、執筆させてもらいました。

人生の希望も楽しみもやる気も出ない毎日


大学を卒業後、私はなりたい仕事にも就けず、お金目当てで国家公務員になるも仕事に意味を持てずに辞め、だらだらと夜の街を徘徊しているような人間でした。

たまに学生時代の友人と会っても無職を馬鹿にされ、社会人同士の仕事の話にもついていけず、そのうちに人と会うことも話すこともできなくなっていました。

家に引きこもって、インターネットでヤフーの記事を何時間も読んでいるだけの日々。お金が稼げるようなことに全く興味を持てず、欲しいものもありませんでした。

何のために生きているんだ、死にたいな、生きていたくないなと毎日考えて、それでも死ねなくて、ただ生きているだけでした。

職業図鑑を眺めるも、興味もやる気も持てない仕事ばかりで絶望


無職で馬鹿にされるのがつらく、何にも夢中になれないことが悔しくて、何か自分の人生を変えられるものがないかと、本屋で仕事図鑑や第二新卒サイトを眺める日々が続きました。

しかし何百種類もの職業や仕事が載っている本やホームページを見ても、心の底からやる気が出ることはありませんでした。

こんなに世の中にたくさん仕事があるのに、なんで自分には何も見つからないんだと、夢中になれることを探せば探すほど、自己嫌悪をしていく毎日がとても辛く感じました。

学生時代の貯金もいよいよなくなってきて、夜な夜な街でふらふらすることもできなくなってきました。何かお金をかけないで遊べることはないかなと現実逃避を始めたのもこの時からです。

カードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」と出会う

Photo by 多趣民ポアロ in September 5 , 2019
人生にやる気を見出せない毎日を送る中、ふと、前触れ無く、中学生時代に周りがハマっていたカードゲームがあったなーと思い出しました。

そして軽い気持ちでネット検索したのが、カードゲーム「マジック・ザ・ギャザリング」との出会いでした。

「マジック・ザ・ギャザリング」とは…

アメリカ発祥の世界初のトレーディングカードゲームで、「もっともよく遊ばれているトレーディングカードゲーム」として、ギネス世界記録にも認定されています。

基本的に1対1で対戦するゲームで、モンスターや呪文などを使ってバトルしていき、最終的に対戦相手のライフを0にした方が勝ちというルールです。

様々な国々や地域で多種多様な言語に翻訳され販売されており、2019年で、販売開始から26年目を迎える歴史あるカードゲームです。

ネットで「マジック・ザ・ギャザリング」の公式ホームページを見ていると、隣町のカードショップで無料のティーチングキャラバンなるイベントがあることを知りました。

ティーチングキャラバンとは、無料で「マジック・ザ・ギャザリング」の遊び方を教えてくれ、さらにカードも無料でもらえるというイベントでした。

お金のなかった私は、「無料で遊べてタダでカードまでくれるとは!最高じゃん!」と思い、イベントへの参加を決めました。

そのイベントで私は「マジック・ザ・ギャザリング」の世界にのめり込み、モンスターや呪文を操り対戦していく楽しさにすっかり魅了されました。

イベント終了後も無料でもらったカードを使い、家でひとり、夜遅くまで時間を忘れて「マジック・ザ・ギャザリング」で遊び続けていました。

強いカードや作りたいデッキに必要なカードを買うために無職脱出


イベント終了から一ヶ月くらいは無料でもらったカードで満足しながら遊べました。

しかし「マジック・ザ・ギャザリング」により一層ハマっていくと、「大会に出たい!」「強いデッキを作りたい!」「レアなカードが欲しい!」と欲求が深まっていきます。

もちろん、大会に参加するのは参加費がかかりますし、強いカードやレアなカードを手に入れるにはお金もかかります。ニートで人生にやる気を見出せない私は、このままではマジック・ザ・ギャザリングで遊び続けられないと思うようになっていきます。

この時の私はカードゲームを続けないという選択ではなく、続けたいからお金を稼ごうと思うようになっていました。

自分にできる仕事ってなんだろうと考えると、大学で取った教職の免許があるし、とりあえず勉強を教えることはできるかもと考えました。そして次の日には行動に移し、集団指導塾の講師のバイトの面接を受けて無事採用されました。

ついに、アルバイトではありますが、ニートを脱出することになったのです。

塾の講師のバイトを始めると、より欲しいカードをたくさん買うためにはどうしたら良いのかを考えるようになっていきました。アルバイトではなく、非常勤講師でもいいから中学校や高校で教える方が収入良くなるのではと考えたのです。

そして塾の講師のバイトを四ヶ月で退職し、都内近郊の学校で数学の非常勤講師の仕事に就きました。ニートを脱出して、「マジック・ザ・ギャザリング」で遊びたい!というやる気だけで社会人復帰することができたのです。

まとめ

「マジック・ザ・ギャザリング」というカードゲームに出会えたことで、無職を脱して、社会人になれました。きっかけなんて本当にどこにあるのか分からないなと当時を振り返って思う次第です。

私の人生を変えた「マジック・ザ・ギャザリング」との出会いについてご紹介しました。