認知症の祖母とのコミュニケーション不足を「大人の塗り絵」が変えてくれた!

ターコイズ
1973年生まれ。北陸在住のフリーライターです。射手座のB型です。
趣味はフラワーアレンジメント、読書、お菓子づくり、音楽鑑賞、コンサート参戦など。昔からのテレビっ子で、ドラマもバラエティーも大好きです。
最近お気に入りのバンドは、ONE OK ROCK。車の運転中、彼らのアルバムを繰り返し聴くほどはまっています。
私は現在90歳の祖母と同居しています。祖母は残念ながら、家族の介護が必要で、認知症も進む一方です。

私たちは、以前は話し好きだった祖母とのコミュニケーション不足に悩んでいました。

そんな状況が続く二年前、私は「大人の塗り絵」と出会いました。

最初は自分の趣味として楽しんでいましたが、祖母が塗り絵に興味を示すようになり、会話が弾むようになりました。

そして、祖母も88歳にして、新しい趣味に挑戦することになったのです。

祖母とコミュニケーションを取るのが難しい


数年前からの祖母の口癖は「私、何しりゃいいけ(※何かしたい)。何か手伝おうけ」。

母か私が台所に立つと、私たちのほうをじっと見つめて訴えます。

でも、祖母に手伝ってもらうことは何もなく、そう伝えると、祖母はきまって悲しそうな顔をするのです。

何度言い聞かせても、祖母は同じことを繰り返し、私たちは返事をすることに疲れてしまいます。

祖母には悪いけど、火を使わせることも、包丁を握らせることも、危なっかしくてできません。

もともと料理好きではなかったけど、祖母が忙しく台所に立っていた昔を知っているので、いろいろ思い出しては切なくなっていました。

何かしてもすぐに飽きてしまうのが認知症の特徴!?


祖母の妹さんは、新聞を読むことが日課で、読書するのも好きだと聞いていました。祖母にも新聞を読むことをすすめましたが、新聞を手に取っても、読んでいる感じではなかったですね。

テレビ番組は、観ているようでも、続きが気になるわけじゃないのか、途中でトイレに行って自室に戻ってしまったりと、集中力は持続しませんでした。

週三回通っているデイサービスでは、カラオケをしたり、折り紙をしたり、体操をしたりしているようです。ただ「今日、何してきたの?」と聞いても、「忘れた」で済まされてしまうのが、何とも残念でした。

私が始めた「大人の塗り絵が」、まさか祖母との楽しいコミュニケーションの方法になるなんて!

Photo by ターコイズ in November 18,2019
私が「大人の塗り絵」と出会ったきっかけは、二年前の新聞に「ドラえもん」の塗り絵の紹介記事が掲載されたことでした。

私は「ドラえもん」が好きで、塗り絵にも興味があったので、すぐに書店でそれと36色セットの色鉛筆を買いました。

いざ塗り絵を始めてみると、結構集中できるんですよ。

Photo by ターコイズ in November 30,2019
「ドラえもん」の塗り絵を完成させた私は、森をテーマにした「不思議な王国」という塗り絵を購入し、その頃には微妙な色の色鉛筆を買い足し、50色以上の色鉛筆を使って楽しんでいましたね。

塗り絵に正解はないので、私は自分の作品がどのように仕上がるのか、ワクワクしていました。

褒められて伸びるタイプの私は、家族に褒められ、塗り絵の世界にのめり込んでいきました。

祖母は「きれいやね、あんた上手やね」と笑顔で褒めてくれて、塗り絵に興味を示しているようでした。

母と私は「祖母に塗り絵をすすめてはどうか」と意見が一致し、祖母も塗り絵を始めることになりました。

いくつになっても何かに挑戦できるって素晴らしい!

Photo by ターコイズ in November 30,2019
祖母用の塗り絵は見本があって、私が「次はこの色を塗って」と祖母に色鉛筆を渡して塗ってもらっていました。

本当は本人の好きなように塗ってもらいたかったのですが、それは嫌みたいで、私の言うことに素直に従っていました。

祖母も塗り絵が気に入ったようで、私が「疲れるからもうこのへんにしたら」と言っても、「もうちょっと塗りたい」と夢中になっていましたよ。

何でもすぐに飽きてしまう祖母ですが、塗り絵との相性は良かったみたいです。

祖母は花の塗り絵を何冊も完成させました。上の写真は、私のお気に入りの一枚です。

Photo by ターコイズ in November 30,2019
数か月後、私は祖母と自分の作品を家族や友人以外の人にも見てもらいたいと思い、出版社主催の「大人の塗り絵コンテスト」に応募しました。

ピンク系のグラデーションでまとめた「カバ」は、私の自信作でした。作品は返却されないので、コピーしか手元に残っていませんが、「我ながらよく頑張ったな」と思っています。

祖母と私は二次選考を通過し、最終選考に残ったけど、入選はできなかったそうです。

我が家に二通のハガキが届いた時、「残念、惜しかったね」と家族で盛り上がりました。

祖母に結果を知らせると「上等や」と満足そうでしたが、申し込む際に年齢も記載したので、「祖母の年齢を考慮して、もう一声」と思ったものです。

まとめ

Photo by ターコイズ in November 30,2019
最近は、以前ほどには塗り絵に夢中になっていませんが、家で日中祖母と二人きりになる時はいつも塗り絵を楽しんでいます。今、私が取り組んでいるのは「海の楽園」です。

祖母は昨年、転んで大腿骨を骨折しました。手術によって歩けるようになったのですが、ひとりで歩くのは大変で、介助が必要になってしまいました。

ますます目が離せなくなった祖母に塗り絵をしてもらっていると、介護の私も少しらくです。「大人の塗り絵」と出会ったことで、大いに助かっています。

祖母とは塗り絵をしながら、お互いの作品を褒め合い、ほのぼのとした時間を過ごしています。

家族のコミュニケーションの方法として、祖母に「大人の塗り絵」をすすめたことは、私たちにとって幸せなことでした。

何か新しい趣味を見つけたい人に、「大人の塗り絵」はおすすめです。家で気軽にできるし、集中力が高まり、夢中になることで、いつのまにかストレス解消にもなっているんです。

90歳の祖母も無理せず自分のペースで頑張っているので、気軽に挑戦してみてくださいね。