大卒後、主婦をしながらライターになることを後押ししてくれた映画『ラ・ラ・ランド』と の出会い

はなもえ

兵庫県在住の20代女性です。

大学在学中は法学部に在籍していましたが、法律関係よりも夢だったライターの仕事に就くことを決心。就活をしない私に周りは引いていましたが、気付かないフリをして卒業後の資金確保のために猛烈にバイトに励みました。

今はその貯金を切り崩しつつ婚約中の彼と同棲をしながら主婦業とライター業の両立を目指して奮闘しています。

周りの友人たちが就活の準備を整えはじめた大学4年の春。私は迷っていました。

ライター業を希望していた私ですが、当時住んでいた地域での新卒ライターの募集が一切無かったのです。

周りと同じように会社や職種など、ある程度のことは妥協して就活をしていかなくてはいけないのかと悩んでいました。そのころ彼氏と観に行ったのが映画『ラ・ラ・ランド』でした。

夢を夢で終わらせないためにひたすら追い続けている主人公2人が、終始私の心に「それでいいのか」と問い続けてきて、観終わったときには完全に答えが出ていました。

就活をすぱっとやめ、バイト漬けの1年を過ごし、その時の彼が婚約者にグレードアップしました。主婦業とライター業を両立させようと懸命に頑張っているのが今です。

夢を追うか、諦めるか。同じような悩みで苦しんでいる人がいれば、私の体験を知って自分の進む道が見えてくるかもしれない。そう願いながら綴っていきます。

大卒後、昔から憧れていたライター業を目指すか、適当に就職するか

「仕事に就くときは、絶対にやりたい仕事に就く」。これが20数年間変わらず持ち続けてきた私の考えです。私は小学生の卒業文集に書いた“ライターになりたい”という夢を大学生になっても持ち続け、叶えようとしていました。でも、私のような思考は、小中学生までで大多数の人が捨ててしまったようでした。

私の住んでいた地域でのライター職の新卒募集はありませんでした。いきなりフリーライターとして生きていくか、それとも周りの人と同じく適度に妥協して選んだ会社に就職して生きていくか悩みました。結局どちらが正解なのか分からないまま、4月になりました。

周りは合同説明会に参加したり、エントリーシートの準備に必死になっていて、私ひとり、ぽつんと我が儘な夢の中に取り残されている気分になっていたのを覚えています。

毎日遊んでいた友人たちも、途端に様子を変えていきました。リクルートスーツに身を包み、パンプスや革靴で靴擦れを作りながら1日に数件の企業説明会をはしごしていました。サークルの飲み会に顔を出しても話す内容は就活のことばかりで、私がろくに就活をしていないことを話すと呆れたように笑われることもしばしばありました。

私だけが子供のままで、皆はどんどん正しい大人の道を進んでいっているような気がしました。ライターの新卒募集が無いと分かった瞬間にさっさと夢を捨てられなかった自分が情けなくて仕方ありませんでした。夢は捨てられないくせに、フリーライターとして生きていく道も決断しきれないどうしようもない自分。当時は夜も眠れず、暗い部屋で朝方になるまで悩み続ける毎日でした。

新入社員の募集をしていない会社に直談判しに行くも、断られる

悩み続ける毎日の中で、住んでいた地域にあった小さな出版社に直接連絡を取りました。その出版社は新入社員の募集をしていないことを承知の上でしたが、話を聞いてもらいにいったこともあります。ライターの経験など、できることはしてあげると言って頂きましたが、「本が売れなくなっている今、新入社員を入れる余裕はない」と断られました。

アルバイト雇用で未経験可のライターの募集を探したりもしましたが、やはり見つからず。進むべき道が見つからないまま、時間だけが過ぎていきました。

映画『LA LA LAND』を観て、大卒後主婦をしながらライターを目指すことを決意

不安に押しつぶされながらもどうにか生きる日々を積み重ね、私は誕生日を迎えました。付き合っていた彼が遊びに連れ出してくれ、当時上映され、話題になっていた『ラ・ラ・ランド』を観ることになりました。ただの小洒落たミュージカル映画だと思って観始めたのですが、夢を追う男女2人の姿に無意識に自分を重ねてしまい、終始涙が止まりませんでした。

私が今、ろくに手も伸ばさずに諦めようとしている夢は追い続けていたら叶うかもしれない。彼女たちのように覚悟を決めて、頑張ってみてから判断するのでも遅くはない。

観終わると同時に、選ぶ道も1つになっていました。かねてから卒業後に婚約する話が出ていた彼と同棲して、「主婦業とライター業を両立させる」。帰りの道で考えを素直に話すと、彼も私の夢を応援してくれるとのことでした。

それからというもの、卒業後に彼に金銭的負担はかけたくないと、毎日バイト漬けの生活をしました。もちろん、文章も書き続けました。次第に就活を終えた友人も増え、就活をしなかった私に冷ややかな視線を向けられることもありましたが、覚悟が決まっていたのでそれほど辛くもありませんでした。

主婦とライター、両立は大変だけど楽しい

今私は、午前中に主婦業を大体片付け、午後はライティングの仕事をして過ごしています。自分の時間はあまりありませんが、それでも楽しいです。

まだライティングの仕事は僅かで貯金を切り崩しながら生活しています。しかし、夢だった仕事に携われているだけで光栄なことなので文句はありません。

そして、夢が叶ったともまだ言い切れません。まだまだ自分の書きたいような文章は書けないし、それだけで生きていけるくらいに稼いでもいないからです。

まだ夢半ばですが、『ラ・ラ・ランド』を観たときと覚悟は変わっていません。これからも諦めず、夢を夢で終わらせなかった彼女たちのように、必死で追い続けていきたいと思っています。

『LA LA LAND』と出会わなければ実現しなかったかもしれない道

あの日『ラ・ラ・ランド』を観なければ、私の人生は大きく変わっていたかもしれません。

普通に就職していれば、お金に困ることもなかったかもしれませんが、私は夢と一緒に生きていけている今の道を選んで後悔したことは一度もありません。

20数年抱いてきた夢を実現するために、これからも選んだ道を歩くことを楽しみながら、書くことも楽しみたいと思います。

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